2024イベントレポート

山と暮らしをつなぐ。
第2回「やまなびフェス」を開催しました。
秋の澄んだ空気といろづき始めた八面山を舞台に、「やまなびフェス2024」が開催されました。このイベントは、山や森の魅力を五感で感じながら、自然と暮らしのつながりを深めることを目的としています。

イベント概要
開催日: 2024年11月3日(日)
場所: 八面山野外音楽堂
主催: 八面山活性化協議会
内容:トークセッション、音楽ライブ、ワークショップ、マルシェ
プログラム
開会の挨拶
音楽ライブ① by YOSHIU
トークセッション①「山のお仕事ってなあに?」
音楽ライブ② by 鳴海敦
トークセッション②「森の恩恵を受けて暮らす私たち」
音楽ライブ③ by 大分Rainbow Fellows
開会の挨拶

「台風の影響で前日はしっかりと雨が降り、開催の判断が難しい状況でしたが、晴れ男・晴れ女がたくさんいたのでしょう。無事に青空が広がりました。今日は一日楽しんでください」と、主催「八面山活性化協議会」会長の久保さんが感謝の意を込めた挨拶で来場者に語りかけました。この言葉に応えるように、会場は次第に陽気で和やかな雰囲気に包まれていきました。
ナビゲーターはお馴染みの石原日夏莉さん。
千葉県出身、現在は自然豊かな耶馬溪に暮らしています。都会から移り住み、自然と共に生きる生活を楽しむ彼女が、ゲストと観客をあたたかく繋ぎます。

音楽ライブ① byYOSHIU
竹田町でヨガ講師として活動する彼女は音楽を自己を癒すツールとしてギターと歌を始めたと語り、この日もその想いを反映したパフォーマンスを披露してくれました。裸足で芝生の上に立つYOSHIUさんの姿は、まさに五感を開き、自然との一体感を楽しむことを体現していました。
【セットリスト】
・千と千尋 「いつも何度でも」
・高田渡 「生活の柄」
・オリジナルソング 「変わらないもの」
・Sam Garrett 「 Lakshmi」
・「オー・シャンゼリゼ」

▶︎ちょこっと裏話
『オー・シャンゼリゼ』は昨年のオープニングを飾った鳴海さんが歌った歌でもあります。YOSHIUさんが昨年のアーカイブ映像をチェックしてセレクトしたそうで、もしかしたら今後やまなびフェスで歌い継がれる曲になるかも・・・?
トークセッション①「山のお仕事ってなあに?」

ゲスト
竪山 健太郎さん(養蜂家・林業)
米村 奈穂さん(山岳ライター)
小迫 玲子さん(日本熊森協会愛知県支部副支部長)
3名それぞれ分野は異なるものの、共通して山と人々を繋いでいる点が印象的でした。
▶︎現在の仕事について
竪山さん
10年間にわたり養蜂を続け、林業では特殊伐採や作業道の整備など技術を活かした作業にも取り組んでいます。
米村さん
九州を拠点に山の魅力を発信しつつ、ワークショップを通じて学びや体験の機会を提供。山の安全性や正しい知識の普及にも力を入れています。
小迫さん
愛知と大分を拠点に、「日本熊森協会」の活動を通じて山と人をつなぐ活動に従事。自然の重要性を次世代に伝える講座や、日常生活で自然を意識できる発信を行っています。
▶︎今の活動を始めたきっかけについて
3名それぞれが現在の活動を始めたきっかけについて語りました。環境や自然との関わり方がどのように人生を変えたのか、具体的な体験を通じてその想いが共有されました。
竪山さん
義父が行っていた養蜂に興味を持ちながらも、当時は会社員で賃貸アパート暮らしだったため、始められる環境ではありませんでした。そんな中、訪れた山の珈琲屋さんで、敷地を借りられるという思いがけないきっかけを得て、週末養蜂をスタート。その後、技術や設備を整え、本格的な養蜂家として活動を展開するようになりました。

また、林業への取り組みは「山を守りたい」という強い思いから。「下毛の里自伐型林業研究会」に参加し、チェーンソー技術や林業の実践的なノウハウを学びながら、現在は自伐型林業を実践しています。
米村さん
大学時代にマスコミ業界を志望し、情報誌制作やアウトドアメーカーでの勤務を経て、山の雑誌の立ち上げに携わりました。山が好きという気持ちを活かして活動する中で、好きなことを追求することの大切さを実感。「好きを発信してきたことで多くのチャンスに出会えた」という経験を語ってくれました。
小迫さん
都市型ホテルやリゾートホテルで働く会社員だった小迫さん。山を切り開いてリゾートホテルを建設するプロジェクトに携わったとき、その建物の美しさとは裏腹に心を痛めたことが転機になりました。また、兄弟とキャンプをする中で山が持つ癒しの力を実感し、さらに海外での仕事を通じて「清潔な水が飲める国は世界196ヵ国のうち、わずか12カ国。6%しかない」という事実を知ったことで、自然保護の思いが強くなります。
現在は「日本熊森協会」のメンバーとして活動し、「まず感謝の気持ちを持つことが自然保護の第一歩」と観客に伝えました。
音楽ライブ② by鳴海敦

続く音楽ライブには、シンガーソングライターの鳴海敦さんが登場しました。昨年も出演した彼は、今年の春に日本一周の旅を経験し、その旅で得た多くのエピソードを曲に反映させて帰ってきました。この日は旅先で生まれたオリジナル曲を披露し、演奏中も旅のエピソードで観客を盛り上げてくれました。
【セットリスト】
・スタージョンムーン
・日々の歌
・コインランドリーブルース
・会いたいな
・世逃げの歌
・心のノート
トークセッション②「森の恩恵を受けて暮らす私。森への愛を育もう。
▶︎観客へインタビュー
トークセッション後半に入る前に 、会場の皆さんに「自然に対する思い」を伺いました。
観客1: 林業関係の仕事をしています。森に入るとスズメバチやアシナガバチに遭遇することもあり、昨年は刺されることもありました。ダニに刺されることも多く、正直なところ、あまり良い印象はありません(笑)。でも、それでも山に行くと元気をもらえるんです。
観客2: 普段スーパーで買うお肉は、牛飼いの方々が時間をかけて育て、畜産として出荷されたものが消費者へ届いています。この背景を意識しながら、自然への感謝と動物たちのために自分に何ができるのか、改めて考えていました。
食べ物は自然との繋がりを感じられる身近な例でした。
自然がもたらす恩恵とその魅力
トークセッション後半では、自然がもたらす恩恵とその魅力について語られました。
竪山さん
「今日の会場のように、天気の良い中で話をしながら美味しい食事を楽しむのはとても癒されます」と話し、藪に覆われて足を踏み入れるのが難しい山も、風通しを良くし木漏れ日が差し込む環境に整えるだけで、訪れる人々に癒しを与える場所に変わると語りました。
米村さん
自然の最大の魅力は「常に変化し続けること」にあると話します。1日の中でも陽の高さや咲く花、風景が変わっていく。「雨や寒さに愚痴をこぼすこともありますが、自然相手だとどうにもできないですよね。そんなところも魅力だと思います」と、予測不能な自然の中での体験が、山感と言われる直感的な本能の部分を鋭くし、ひいては心を豊かにしてくれると話しました。

確かに自然はどうしようもない部分がありますよね。雨が降ったからといって怒っても仕方がありません。ふところが広くなるような感覚があります。
小迫さん
「米村さんが話されたように、自然には手の施しようがないふところの深さがあります。忙しさから呼吸が浅くなることがありますが、山に来ると自然と深く息を吸いたくなるものです。」木々や花の香り、太陽の光など、会場の皆さんが今、まさに感じていることを言葉にしてくれました。
▶︎もし山の自然がなくなったら?自然の恩恵と守るべき理由を考える
「もし山の自然がなくなったらどうなるか?」をテーマに、山が私たちの生活や環境にもたらす恩恵とその大切さについて語られました。また、忙しい日常の中でも自然を身近に感じるための方法が共有され、観客の皆さんにも深い気づきをもたらしました。
竪山さん
森林伐採の方法による環境への影響を指摘。特に「皆伐」と呼ばれる方法では、広範囲を伐採することで山の治水力が失われ、土砂災害や地力の低下を招く危険があると述べました。また、山から川や海への栄養の流れが絶たれることで、広島の牡蠣養殖のような海洋産業にも影響を及ぼすことを具体例に挙げ、山から海までのつながりを守る必要性を訴えました。さらに、間伐などの持続可能な伐採方法を活用しながら、環境税などの支援を通じて、山を守る取り組みが重要だと話します。
小迫さん
「竪山さんが言われた通り、海の豊かさは山から来ているというのは非常に重要なこと。もし森がなくなった場合、特に紅葉樹はゆっくりと根を張りながら土を守る役割を果たしています。」と話し、例えば、ふもとに住んでいる人々が土砂崩れに遭う原因の一つとして、山の開発やソーラーパネルの設置が挙げられることもあると実際起きている事例を挙げました。
山は微生物や昆虫、動物を含めた生態系全体でつながっており、その中にもちろん人間もいます。自然を守ることが私たちの生活そのものを支えることに直結していると話しました。

米村さん
山における鹿の食害がもたらす深刻な影響について解説しました。絶滅危惧種の植物が食べ尽くされることで山の保水力が低下し、屋久島では鹿が山から降りてくる現象が起きているとのこと。これは、コンクリートで作った広い林道が鹿にとっても歩きやすく、獲物を得る場所になっているため。鹿が悪いのではなく、人々が山に入らなくなったことが自然のバランスを崩しているとのこと。山と人の関係を再構築する必要性を感じました。
さらには、私たちの身体に関わる話も交わされ、便利な世の中になった反面ダメージを受けていることも大いにあると。そのケアとしても自然があることでバランスが取れるとの会話もされました。
日常生活で自然を取り入れるオススメな方法
米村さんから、自然を日常に取り入れるヒントを教えてもらいました。
「日常生活の中で自然を感じるにはスピードを一段階下げてみる。車を自転車に、自転車を徒歩に変えるだけで、これまで見逃していた自然の存在に気づくことができます」特に子供と一緒に歩いてみることで、大人が気づかない自然の視点を教えてもらえることもあると、すぐにできる方法を共有いただきました。
トークセッションを通じて、自然を守ることの重要性はもちろん、山とつながることで生きる力も育まれる、日々が、人生が、より豊かになっていくことを学びました。
最後に、熱意あふれるお話をしてくださった竪山さん、米村さん、小迫さんに感謝いたします。改めてありがとうございました!
全貌はアーカイブ動画で配信中ですので、ぜひご覧ください!
音楽ライブ③by大分Rainbow Fellows

クライマックスを飾ったのは、ピースフルバンド「大分Rainbow Fellows」。自然との共鳴や命の美しさをテーマにした楽曲が披露されました。その演奏は、まるで自然そのものが音楽となって溶け合うかのような心地よさ。午後のまどろみの時間、うららかな秋の陽射しの下で響いた音色は忘れがたいひとときとなりました。
【セットリスト】
・めぐるいのちのうた
・喜びのうた
・はなみち
・虹の方舟
・龍神様の背中に乗って
・waco 最高MAXありがとうしあわせ

▶︎実は・・・!な裏話
・山の中が会場のやまなびフェス。マルシェの出店位置は坂の途中の平地にあったため、搬入や搬出が大変でした。出店者の皆さま、本当にありがとうございました!スタッフは汗だくになり、翌日には筋肉痛に・・・。(山でのメリット、【肉体的に健康になれる】ということをひしひし感じた次第です)
・予定していた出店者様が事情により出店できなくなったものの、偶然中津界隈を旅していた2店舗が急遽出店してくれました。このような素敵な出会いは思いがけない喜びでした。
・朝はひんやりとしていましたが、日が昇るにつれて日差しが強くなり、子どもたちが次々と服を脱いで自然の気持ちよさを全身で感じている姿が見られました。会場内を走り回り、坂の芝生を転げ回り、隣の川で水遊びをする姿も見られました。
・昨年もご来場いただいた顔ぶれを見つけることができ、とても嬉しく思いました。今年は滞在時間が長く、1日をゆっくりと過ごしていただけたようです。その分、自然の変化もじっくり感じていただけたと思うと、その点もまた嬉しく思います。

最後に
今年のやまなびフェスは、自然が私たちの暮らしや心にどれほど深く関わっているかを体感し、それを守り育てる意識を高める場となりました。山への興味が山の見方や守る意識につながり、やがてそれが自然との関わりを生み出す力になる。
決してハードルの高いことではありません。大きなことをしなければならないとか、生活を変えなければならないというわけではありません。裾尾を広げるように、じわじわと。心地よさを感じるところから始めてみてください。
来年もまた、八面山でお会いしましょう!

関連情報
八面山活性化協議会では、四季折々の自然を楽しむワークショップも定期開催しています。詳しくはInstagramをチェック!
https://www.instagram.com/yamanabifes/
thanks
▶︎トークゲストやライブ出演者、マルシェ出店者の詳細情報も公式アカウントでチェックしてみてください!
*トークショー
【Tateyama Honey】竪山健太郎 @tateyamahoney
【日本熊森協会】小迫玲子 @kosakoreiko1
【山岳ライター】米村 奈穂 @nahoyonemura
*音楽
YOSHIU @yoshiu_maaru
鳴海敦 @atsushinarumi
大分rainbowfellows @nijino_fellow
*触れてみるマルシェ
・WORK SHOP
赤いリボングリーンウッドワーク @akairibbongww
ののはな草木染アカデミー大分国東支部 @somesometime
近井美桜 @chomm
SUEMI @suemi.130813
てならいのひ @tenarai_nohi
・FOOD
Bulan〜月の台所〜 @bulantsukidai88
ポホヨラ洋菓子店 @patissier_ashigara
ラ・マンチャカレー店(ミセ) @lamanchat.curry
ごんのおやつ @gon_oyatsu
スミビ珈琲 @sumibicoffee_hakkobancha
312 @312maffin_kobeya
虹の道・工房たね @nijinomichi.kobotane
南インド風スパイスカレー ニルヴァーナ @nirvana_spicecurry
旧平田郵便局 Alimonde かおりん @oldhiratapost @alimonde_kaorin
GIGUE @gigue_store
六月八日 @rokugatsuyhoka
・SHOP
農園 空 @farmsorayoshida_ke0401
Rigoletto @emi.0846
jiji @ayumily
Flower Koreki @flower_koreki
おえかきや @8ppousai
火水風土 @kamifood.farm
Tateyama Honey @tateyamahoney
COEXIST @coexist_environment
大地の衣wama earth dress @liltliltlilt
・イラスト GIGUE @gigue_store
・デザイン 旧平田郵便局 @oldhiratapost
・WEB 森と人と @makky0818
